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リバーシブル 1.黒の兵士 (角川スニーカー文庫)

リバーシブル〈2〉魔眼の砦 (角川スニーカー文庫)

またまたお気に入りの作家が増えた。
昨年デビューしたばかりの水月昴氏である。
そのデビュー作であるこの作品は近未来を舞台に、「調停者（メディアター）」と呼ばれる特殊なウェラブル・コンピュータを使用する少年少女たちが、反社会勢力がらみの事件に巻き込まれるというもの。そして襲い来る圧倒的な武力と暴力に対して、仮想空間のビジュアルを現実の視覚に重ねたり、入れ替えたりといったアイディアを用いて戦力差を解消して乗り切って行く。
だが、そこには特に高揚やカタルシスはない。彼らは単に自分たちの『日常』を守るために戦っただけなのだから。
そのクールな描写には本当に共感した。これからの作品にも期待しよう！